新潟県には他の地域にはあまり見られない葬儀の風習がいくつかあります。中でも、一部の地域で行われる放生と言う儀式は、現代ではあまり行われていないものですが、生き物を野に放つことで故人が徳を積み来世で良い暮らしが出来る様にという仏教の教えから来ている物です。
実際には鳥を空に放ったり、個人が飼っていた魚を放流したりといったことで行われることが多い物です。また、通夜や告別式の香典も特長的なものがあります。一つは通夜の香典に紅白の水引でお見舞いと記載された袋が弔問客から渡されることがあります。
初めての場合には通夜の席で紅白の水引は非常識と感じてしまうものですが、これは病気療養中に見舞いに行けなかった人が遅ればせながらのお見舞いを持参する事が有るからです。他の地域ではあまりないことですが、新潟県の一部ではこの習わしが残っています。
葬儀の際に、佐渡ではおにぎりを食す風習があります。他の新潟県内の地域では、赤飯で作ったおにぎりを1本の箸で食べたりもするそうです。新潟県は米どころということもあってか、昔からお米を大事にし、あの世へ行く人も、これからも人生を続ける人も、お米を食べて精を付けるという意味も込められているようです。
米どころならではの風習です。そして、出棺の際には、生き物を逃がすことをする地域も存在します。空に鳥を放ったり、金魚を池や川に放流したりします。この風習を「放生」といい、生を開放する意味があります。仏教の儀式『放生会(ほうじょうえ)』を元に、殺生を戒め、善行を行うことで故人の徳としてあの世で厚遇されることを願う残された親族の想いが込められています。
死んでもなお、故人のことを敬う気持ちが込められている素晴らしい風習です。
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